「転職したいけど……今じゃないかな」
「夏のボーナスをもらってから考えよう」
そう思って、もう何年経ちましたか?
私は30年間、看護師として急性期病棟から訪問看護まで様々な現場を経験してきました。その間、転職を考えながらも「タイミング」を逃し続けた同僚を何人も見てきました。そして、私自身も同じ経験をしました。
「いつか動こう」という気持ちは、いつまでも「いつか」のまま終わってしまいます。
今、あなたが読んでいるこの6月・7月という時期は、実は看護師の転職にとって非常に動きやすい季節です。今日はその理由と、夏の転職で失敗しないための具体的な手順をお伝えします。
なぜ夏に転職を考える看護師が多いのか
看護師の転職市場には「繁忙期」と「閑散期」があります。求人数が増えるのは主に2つの時期——1〜3月(4月入職向け)と、6〜8月(10月入職向け)です。
6月のボーナスを受け取って退職する看護師が増えると、その穴埋めのための求人が一斉に出始めます。つまり、あなたが今「転職しようかな」と感じているなら、求人の側もあなたを必要としているタイミングなのです。
私が最初に転職を決意したのは、ちょうど30代前半の夏でした。当時の病棟は人手不足が慢性化していて、夜勤明けでも休みが取れない状況が続いていました。「もっと自分に余裕をもって子どもといたい」という思いが限界に達したのが、ちょうど6月の夜勤明けだったことを今でも覚えています。
転職を先延ばしにしてしまう3つの本当の理由
看護師が転職を決断できない理由は、表面的には「タイミングが悪い」「患者さんが心配」「引き継ぎが大変」などです。しかしメンタルヘルスの視点から見ると、本当の理由は別のところにあります。
①「罪悪感」という名の呪縛
看護師は「患者さんのために」という使命感が強い職業です。その誠実さは素晴らしい資質ですが、転職という場面では足かせになりがちです。「自分が辞めたら患者さんに迷惑がかかる」という罪悪感が、あなたを今の職場に縛り付けているのではないでしょうか。
あなたが消耗しながら働き続けることで、最終的に困るのも患者さんです。
②「今より悪くなるかもしれない」という恐れ
転職後の職場が今より悪かったらどうしよう——この不安は非常によくあるものです。実際、転職後に後悔する看護師の多くが「人間関係が合わなかった」「給与が思ったより下がった」「実態が求人票と違った」という経験をしています。ただ、それは「情報収集が足りなかった」ことが原因です。正しい準備をすれば、リスクは大きく下げられます。
③「自分のスキルが通用するか」という自己不信
「私なんかが転職してうまくいくのだろうか」。この声は、真面目で責任感の強い看護師ほど心の中で大きく響きます。しかし、看護師という職業は全国どこでも必要とされている、非常に強いスキルを持つ職業です。
あなたの経験と技術は、必ずどこかで誰かの役に立てます。
夏の転職を成功させる4つの準備ステップ
ステップ①:転職の「軸」を書き出す
まず、紙に書き出してください。「今の職場で何が嫌なのか」「次の職場では何を大切にしたいのか」。この2つが明確になるだけで、求人を見る目が全く変わります。
転職は「逃げる」ためではなく「選ぶ」ためにするものです。
ステップ②:転職サイトに登録して情報収集する
看護師専門の転職サービスに登録すると、非公開求人を含む膨大な情報にアクセスできます。「まだ転職するか決めていない」段階でも、情報収集だけを目的に登録するのは全く問題ありません。まずは気軽に求人を見てみるところから
ステップ③:職場見学・口コミで「リアル」を確認する
私が転職エージェントを利用して一番良かったと感じたのは、「職場見学の段取りをつけてもらえた」ことです。特に注目してほしいのは、スタッフの表情と会話のトーンです。30年間の経験から言えば、これが職場の質を見極める一番のポイントです。
ステップ④:退職の手順を事前に確認する
10月入職を目指すなら、今すぐ動き始めることで余裕を持ったスケジュールが組めます。就業規則には通常1〜3ヶ月前の申告が必要です。内定が決まってから慌てないよう、退職の流れを事前に把握しておきましょう。
転職で給与が下がることを心配しているあなたへ
夜勤手当や各種手当で収入を支えている場合、日勤のみのクリニックや施設に移ると月収が数万円下がることがあります。これは事実です。しかし同時に、「収入が少し下がっても、心身の健康と時間を取り戻せるなら十分に価値がある」と感じている転職経験者も多くいます。
大切なのは、何を優先するかを自分で決めること。それを丁寧に整理するためにも、転職のプロへの相談は早ければ早いほど良いのです。
今日からできる具体的なアクション
看護師専門の転職サービスは、無料で利用でき、担当者が履歴書の書き方から面接対策まで丁寧にサポートしてくれます。「とりあえず登録して話を聞いてみる」だけで十分です
まとめ:あなたのキャリアを、あなた自身の手で選んでほしい
看護師として働いてきた私が伝えたいのは、「転職するかどうか」よりも、「自分のキャリアを自分で選んでいる」という感覚の大切さです。
誰かに言われたから、仕方なくここにいる——そんな感覚で働き続けることが、燃え尽き症候群や慢性的な疲弊につながるとメンタルヘルスの観点からも言えます。たとえ今の職場に留まる選択をしたとしても、「比べた上で今ここにいる」と感じられるだけで、働き方は大きく変わります。
まずは情報を集めてみてください。動くかどうかはその後で決めれば良い。あなたが自分らしいキャリアを歩めるよう、心から応援しています。
